トイレ考察・トイレ内のスペースの表示について 本文へジャンプ
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今、まちの中の公共施設では、一口に車いす対応トイレと言っても、広さ、設備面などで色々なタイプのトイレがつくられています。新設のものもあれば改修されたものもあります。名称についても施設ごとに異ります。施設見学を行い、的確な情報の出し方を考えていく上で、車いす対応トイレ、多目的トイレなど、どのような種類、定義があるのかを調べ、検討しました。

 

施設見学を終えて                                          

 
3
つのタイプの車いす対応トイレがありました。

 ※A商業施設トイレの写真を使用

  

@便器と両側手すりだけが設置されており、
とてもシンプルだが使いやすそうなトイレ。
画像 トイレ1
A多目的トイレと言われるタイプ。便器と
両側手すり、背もたれ、オストメイト対応設備、
折りたたみ式着替え用ベッドが設置。
設備は同じで、さらに広いトイレもあり。
画像 トイレ2
B一般トイレ内に「車いす対応トイレ」あり。
車いすのサイズによっては十分使用できる。
このようなトイレを使用できる人にとっては、
エレベーターで移動して、他階の多目的トイレ
に行かなくてもすむ。
画像 トイレ3


車いす対応トイレについて 〜車いす対応トイレの分類〜                       


 車いす対応トイレ、多目的(多機能)トイレの定義はあるのかどうか国土交通省へ問い合わせたところ、特に定義はないという回答のため、ワークショップで検討を重ね、トイレ仕様により次のような名称の付け方がわかりやすいのではないかと考えました。

@のタイプを車いす対応トイレ

Aのタイプを多目的トイレ

Bのタイプを一般トイレ内で車いす使用者が使用できるトイレ




【国土交通省ホットラインステーションより回答(20089)

“多機能トイレ”や“車いすトイレ”という定義は当省が所管している法律にはありません。

しかし、高齢者、障害者等の円滑な利用に適したものとして、以下の制度があります。

まず、平成6年に「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行規則」で定められました。その後、この法律が改正され、平成18 年に「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令(以下「省令」という)」が定められ、現在に至っております。この省令ではその構造は、出入口の有効幅が80cm以上、出入口に車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと、腰掛便座及び手すりが設けられていることなどとなっています(詳細は省令第13 条第2 項及び第14 条をご覧ください)。


【参考】

公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン(バリアフリー整備ガイドライン(旅客施設編)平成197月)

○簡易型多機能便房は、小型の手動車いす(全長約85cm、全幅約60cm を想定)で利用可能なスペースを確保する(正面から入る場合は奥行き190cm以上×幅90cm以上のスペースと幅80cm以上の出入口の確保、側面から入る場合は奥行き220cm以上×幅90cm以上のスペースと幅90cm 以上の出入口の確保が必要)。

◇新設の場合等でスペースが十分取れる場合は、標準型の手動車いす(全長約120cm、全幅約70cmを想定)で利用が可能なスペースを確保することが望ましい(正面から入る場合は上記と同様であるが、側面から入る場合は奥行き220cm以上×幅120cm以上のスペースと幅90cm 以上の出入口の確保が必要)。

また、簡易型多機能便房に通ずるトイレ内通路には車いすの転回スペースを確保することが望ましい。


国土交通省のホームページ
http://www.mlit.go.jp/




車いすの寸法、回転寸法 〜直径1.5m円〜                             


 電動車いす、手動車いすの回転寸法について、わたしたちの認識では、手動車いすは切り返しが小刻みにできるので回転スペースは電動車いすよりも小さくてよいのではないか、と考えていましたが、資料を見ると、電動車いすは直径1.4m円、手動車いすは直径1.5m円とありましたので、愛知県建設部建築指導課に問い合わせました。

 その結果、直径1.5mあれば、電動車いすでも、手動車いすでも、ちょっと切り返しをしつつ回転できるということを確認しました。

【愛知県建設部建築指導課より回答(200812)

車いすの大きさはJIS 規格によれば、現在、手動車いすも電動車いすも、全長120p以下とされています。しかし「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(編集 国土交通省)」や「旅客線バリアフリーガイドライン(国土交通省 監修)」等によれば、電動車いすの寸法例として全長105pのものを挙げており、愛知県でもこれを電動車いすの一般的なサイズとして寸法を決めているものと思われます。

この105cm による電動車いすの回転がφ140となっているのは、車軸中央を中心に回転と書かれていますが、実際は切り返しを前提とした最少回転寸法であると思われます。また、手動車いすの回転がφ150となっているのも、車軸中央を中心に回転するのではなく、切り返しを前提とした最少回転寸法であると思われます。

 

【参考】

車いすの寸法、回転寸法については「愛知県 人にやさしい街づくり望ましい整備指針」14 15ページを参考にしました。


愛知県のホームページ

http://www.pref.aichi.jp/




トイレ内のスペース表示について 〜レイアウト図を使用して〜                    

トイレ内スペースを客観的に示せる方法はないかと検討を重ね、「トイレのレイアウト図を掲載するのであれば、そこに直径1.5m円を記載する」ことに決めました。

 ※直径1.5m円:トイレメーカーのパンフレット等に車いす使用者用トイレ、多目的トイレのスペースを表すために用いられている。               

  
図 トイレ内レイアウト図   
トイレレイアウト図での直径1.5m円(例示)



その他 〜車いす使用者用駐車場についての考察〜                           

車いす使用者用駐車場(施設によっては障害者用駐車場という名称)のスペースは一般駐車場のスペースより広くつくってあり「ゼブラライン」がひいてあります。車を運転する車いす使用者の場合、ドアをいっぱいに開けないと車いすで乗降できません。そのために駐車場の幅を広くとってあります。障害等により徒歩が困難な場合は、一般駐車場で施設出入口に近い場所が利用できるようになっているとよい。


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