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2006年度 人にやさしい街づくりを提案する

第8回 加齢と障害を考える
とき:9月9日(土)13:00〜17:00
ところ:愛知県社会福祉会館 3階ボランティア学習室
 

講義「身体と心から考える 〜リハビリテーションの観点から〜」
    講師:銭田良博さん(銭田治療院 院長) →こちら

講義「支えるデザイン」
    講師:山村真一さん(株式会社コボ 代表取締役社長)→こちら

グループの時間→こちら

13:05 講義「身体と心から考える 〜リハビリテーションの観点から〜」

    講師:銭田良博さん(銭田治療院 院長)

1.リハビリテーションとは
・ リハビリテーション=マッサージではない。リハビリテーションとは、人間らしく生きるための権利の復活。病気やケガで受けた障害を乗り越えて、自分の生活を取り戻すために行うすべての行為。
・ リハビリテーションは、利用者、家族、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、看護師・保険師、義肢装具士、社会福祉士等が連携して行うチーム医療。
・ 日常生活動作(ADL)や日常生活関連動作(APDL)への働きかけを行う。
※日常生活関連動作…買い物に行く、銀行へ行くなど
・ 高齢者の地域での自立生活を支援する→デイケア(通所リハビリテーション)・訪問リハビリテーション…

○リハビリテーション(自立概念)
  1910年代 傷痍軍人の社会復帰のための機能回復訓練
  1970年代 リハビリテーション法改正
       重度障害者の自立支援策(←エンパワメントの社会運動)
  1983年時 全人間的復権  ADLからQOLへ

○ノーマライゼーション(共生概念)
  1950年代 ヒューマナイゼーション(人間化)でありイクォーリゼーション(平等化)である。
  インテグレーション(統合)→障害を持つ人を分離差別することなく地域社会に受入る
1960年代 バリアフリーデザイン
1970年代 ユニバーサルデザイン
統合教育→障害のある子どもが健常児とともに学ぶ 
 
2.街づくりとリハビリテーション
・ 個人の身体機能に適合し、かつ潜在している機能や能力を開発する方向に導く望ましい環境をつくる。
・ 介助者を持たなくてもひとりでできる行為は、実施する回数も増える結果、活動性が高まり運動量も増え、訓練効果としての全身の体力改善や筋力増強などの運動機能の改善にもつながり、結果として屋内及び屋外ADL自立が期待できる。主体性の快復・心身の活動性が高まり、閉じこもり防止も期待できる(介護予防)。
・ 高齢者・障害者の心身機能における自立の段階(現在・今後)を把握し、対応していくことが大切。
・ 住宅リフォームや福祉用具の導入による生活の改善

3.まとめ 〜リハビリテーションの概念から見る街づくりのポイント〜
○多様性
・ 同じ障害を持っている方であったとしても、住んでいる家や生活環境が違えば生活習慣も千差万別である。
・ 個々の利用者に適した環境整備を行わなければならない。
○連携の重要性
・ 利用者やその家族、さらには利用者に関わっているリハビリテーション関係職種などと積極的にコミュニケーションをとり、十分な相互理解を深めることがとても重要である。
○的確で迅速な情報発信
・ 学んだ知識を活かして関係職種と共通の認識を持ち、考えられるいくつもの方法から利用者と家族に一番適した環境整備を選択するように心掛け、それが決まれば関係者に同じ情報をできるだけ早く発信することが成功の秘訣である。
○学習内容の復習と情報収集
○生活環境と疾患の把握

14:45 講義「支えるデザイン」
          講師:山村真一さん(株式会社コボ 代表取締役社長)

1.バリアフリーからユニバーサルデザインへ
・ 日本ではデザインというと装飾的なイメージを持つ人が多く、ユニバーサルデザインは「すべての人のために…」と理解されているようだが、この考え方を計画し実行していこうとする考え方のこと。
・ バリアフリーからユニバーサルデザインへと変化した経緯は、ベトナム戦争における傷痍兵からの要望で、アメリカの公共施設はバリアフリーに整備され、その後、障害者や高齢者だけではなく、妊婦さん、子どもなどにとっても利用しやすいようにと、ロン・メイスによってユニバーサルデザインは提唱された。
・ グッドデザイン賞(経済産業省)…1957年にスタートした総合的デザイン評価・推奨の仕組み。私たちの生活をより豊かにすることと、産業の発展とを同時に後押ししようとする活動。
グッドデザイン賞 http://www.g-mark.org/

2.人にやさしい街づくりの視点から(事例紹介、一部)
・ <東洋ガラスの牛乳瓶>従来の牛乳瓶は掴むとき滑りやすく、重い→胴体にくびれを付け掴みやすくし、牛乳を入れて100g以下に。
・ <鞄の鍵>鍵は小さく紛失することが多かったり、鍵を掛ける「まわす」という操作が難しい人もいる→カード式にし、差し込むだけでok。カード形式は紛失防止に役立つ。
・ <グリーンムーバー(広島の低床電車)>低床電車は誰もが安心・安全に利用できる。環境にも配慮されている。グリーンムーバーはドイツのシーメンス社製(医療機器メーカー。世界で大きなシェアを占める。)ヨーロッパでは路面電車でまちづくりをしているが、日本では路面電車廃止をするところが多い。
・ <スライド式スロープ>熊本で開発。場所によって長さを調節できる。アルミ製で軽量だが電動車いすも利用できる。投票所などでの需要が多い。
・ <木製の車いす>金属製のものはフレームなど触ると冷たい。室内で長時間座るとき、木製のものは見た目にも温かさがある。
・ <並行斜面台>デンマークではエレベーター設置が難しい階段に設置し、車いす利用者、ベービーカーなど、誰でも利用できる。
・ <座シャワー> 全身にシャワーが出る。病後など長く湯につかることで起きる身体への負担を減らせる。また、ライフスタイルの変化によりサッとシャワーを浴びることができる。

3.おしまいに
・ 今後、日本はどこの国より早く高齢者大国になる。人にやさしい街づくりの視点に立った道具やものづくり、さらに人づくりは重要である。子どものときからの教育も必要である。

16:25 グループの時間

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