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2005年度 私らしくまちで暮らす
第3回【人にやさしいまちづくりの広がり・その1】 |
日時:8月6日(土)13:00〜17:00
会場:愛知県社会福祉会館3階ボランティア学習室
第3回【人にやさしいまちづくりの広がり・その1】
第一部「もの」〜ものづくり、まちづくりの視点から〜
第二部「ひと」〜高齢者福祉、子育ての視点から〜 |
今回は、「知る・学ぶ」の1回目。シンポジウム形式で様々な人の様々な視点からお話しを聞き、人にやさしい街づくりの広がりについて学びます。 |

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13:00 はじまり
コーディネーター:曾田忠宏
(NPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海理事長)
13:10 第一部「もの」〜ものづくり、まちづくりの視点から〜
シンポジスト
柳原伸行さん(NPO法人東三河ハートネット理事長)
高橋秀子さん(INAX新宿ショールーム)
14:50 <休憩>
15:00 第二部「ひと」〜高齢者福祉、子育ての視点から〜
シンポジスト
小山秀隆さん(愛・地球博ボランティアセンター
福祉・エコグループマネージャ)
田中弘美さん(障害を持つ子どもの父母のネットワーク愛知 代表)
16:40 次回の連絡&後片づけ
16:50 終了
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13:10 第一部「もの」〜ものづくり、まちづくりの視点から〜
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柳原伸行さんのお話し
■ものづくり、まちづくりの視点から考える 1) 愛知県
人にやさしい街づくり連続講座から東三河版・人にやさしい街づくり連続講座の開催へ ・
豊橋から愛知県の連続講座に通うとなると、電車で片道1時間半〜2時間、東三河の奥の方からだと3〜4時間かかる。これは大変。 ・
東三河で連続講座を始めるにあたり、愛知県の連続講座に関わっていた行政の担当者に協力してもらった。中核市の豊橋市に5市をまとめてもらい、東三河版連続講座が開催できた。 ・
講座はあくまで、まちづくり活動のきっかけ。各人がいろいろな街づくり活動に参加していくことが大事。 |
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2) アドバイザーグループの活動 ・
東三河で318人中その4分1が街づくりに携わっているが、4分の3が勉強しただけに留まる。 ・
活動の継続性確保するために、平成9年10月「人にやさしい街づくりアドバイザーグループ」の会を設立。 ・ 設立当時は150名の会員だったが、今は70名ぐらい。 ・
アドバイザーグループの活動は出まえ講座やまちづくり塾施設検証と提言等。 ・
市会議員に車いす体験をしてもらったり、車いすの人や障害のある人も含め、豊橋駅の検証をした。
3)
特定非営利活動法人の設立(東三河ハートネット) ・ ボランティアでの事業の限界 ・ 事業を行うには資金が必要 ・
ボランティアグループの有志で仲間をつくって法人化 ・ 法人になると委託事業があるが、法人とボランティアでは、求められるものが違ってくる。
4)
NPOと大学の連携 ・ マンパワーが必要な時は学生が頼りになる。豊橋技術科学大学の学生さんに協力してもらっている。学生自身も勉強になっている。 ・ 大学はシンクタンクとしても頼りになる。
5) NPOと行政の協働 ・ 事業を行うには行政の協力が必要。 ・ 必要だと思ったことは提案する。 ・
行政に提案するときは、すぐ取りかかって欲しいもの、中期的、長期的なものと分ける。 ・ 行政では出来ないことはNPOで行ってみる。 ・
専門知識が求められることが増えてきた。
6)
住民参加の計画づくり(街づくりも含む) ・ 住民と行政とのパイプ役 ・ 行政とどのような協力体制をつくるか ・ 地域行政の協力なしでは街づくりはできない
7) どんなものができてきたか? ・
住民参加で公園づくりをした。最終的に住民のみなさんが運営するようにする。管理は自治会や公園運営委員会を作って行っている。 ・
施設をつくっておしまいではだめ。その後の管理、運営を地域でやってくれる仕組みづくりが必要。 ・ 行政にやってよという考え方ではなく、各人が意識を持って街に参加をしていくことが、街づくりになる。 |
高橋秀子さんのお話し
■ものづくりの立場から、企業人として一般のユーザーとどう関わってきたか ・ 地域で暮らしている一住人として、できることは何かと考えやっていることが仕事にも活きている。 ・ 製品の開発・・・アンケートからだけでは聞き取れない→ユーザーシュミレーションが必要 ※ユーザーシュミレーション…日常の生活のありのままをビデオに録って検証する。台所や洗面台などで、家族の誰がどのように使っているか、動きを見る。 ・ 空間をどのように使っているのか、どのように使いたいのか→家族、環境 ・ いろいろな住まい方、使い方を提案→種類 |
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ユニバーサル・デザインやアクセスビリティ、共用品などことばはあるが、みんなが使いやすさ使いにくさを享受しながら、みんなで使っていきましょうということ。 ・
ものづくりの考え方は、街づくりでも言えるが、いろんな視点から検証して、いい折り合い場所を探っていくこと。 |
15:00 第二部「ひと」〜高齢者福祉、子育ての視点から〜
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小山秀隆さんのお話し
■選択できること、自分で決められること ・
自立・自律を考えるとき、障害者と高齢者では異なる。高齢者の場合は家族が決めることが多い。 ・
自立・自律と依存をきっちり分けるのはなかなか難しいものである。 ・
障害のある人にとっての自立として、よく聞くのが、何が食べたいか自分で決めなさいということ。でも、みなさんは家での食事は、つくってもらったものを食べている。 ・ 生活保護は制度の世話にならないことを自立と言っている。介護保険制度や障害者自立支援法は、制度を利用して自立しましょうという考え方。 |
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障害者自立支援法は、これまでの応能負担ではなく応益負担になるので、現実問題として収入がなく重度の障害者ほど負担が重くなり、生活ができなくなる。 ・
日本は障害別や年齢により細かく制度が分かれていて、利用者にとっては複雑であり、意味がない。 ・
外国の制度は、日常生活に支障がある人を支援するという考え方でつくられていてわかりやすく、現実的である。 ・
ユニバーサル・デザイン、ノーマライゼーションという誰もがという考え方は、特別なことではなく、当たり前の配慮である。
○活動におけるリーダーの要素 ・メンバーの意識・方向性・を企画、創造する役 ・全ての人などの調整役 ・参加しやすいような雰囲気を作る、参加促進役
○メンバー構成 ・中心メンバー(出席率が良い) ・必要に応じての参加(活動基盤が広く繋がりが期待できる)
○メンバーはお互いに役割を分担し守ることが必要
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田中弘美さんのお話し
■障害のある子どもの自立・自律について ・
障害のある子の作業所や施設はたくさんあるが、バラバラに活動しているのが現実。 ・
私の居住区の広い緑区に障害児学級を持つ中学は2つしかない。バスも少なくバス通学なら早退やむなしという扱いで、親が車で送り迎えというのが普通になっている。「義務教育は越境を禁じる」ということも障害をもったものには適用されない。 ・
親の側にも偏見があり、障害ばかりに目が行き才能を評価していない場合もある。どこに才能が潜んでいるかわからないものである。それをみつけ輝かせることができると、子どもたちは驚くほど生き生きとしてくることを見てきた。 ・
親が付きっきりではなく、他の人に任せることは大切である。親だと子どもに決めさせる前にやってしまう。それでは子どもが育たない。 |
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特別な環境でしか生きられないということではいけない。障害ということが特別ではない、すべての子が地域でなんの隔たりもなく生きていける環境が欲しい、そのためには障害のある子を持つ親たち、そしていろいろな障害のある子を対象にしている施設などが一つにつながって行くことも必要である。 |
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