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「愛知県 人にやさしい街づくりの推進に関する条例」の改正に
 関する提案(第一次

     2003年12月3日                         

 愛知県知事 神田真秋様

愛知の「ひとまち」を良くしたいワークショップ

 愛知県が「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」を制定したのが、1994年10月、全面施行されたのが、1995年4月。以来、街の中でつくられる施設は、かなり「いいもの」になってきました。また、人々の意識も大きく変化をみせ、街に出ると、しばしば「やさしさ」を実感する場面に出会うようになりました。
 これは、時代の流れということもあるのでしょうが、ここまで大きく変わったのは、条例をベースにした一連の仕組みとプロジェクトの成果でしょう。
 当事者参加型での市町村計画づくり、モデル地区での施設改善、保健・医療・福祉・設計・施工の専門家集団からなる住宅リフォームヘルパーチーム、各地で行われてきた地域セミナー、人にやさしい街づくり連続講座での担い手づくり、連続講座の受講者を始めとする多くの人たちがかかわっての多様な活動、そして、当事者自身が中心となっての地道で継続的な社会に向けた活動…と、市民、行政、企業、そして、専門家がそれぞれの持ち場で、あるいは、相互に協働連携して進めてきた成果でしょう。
 さて、今、愛知県では、この「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」の改正について、検討が進んでいるとうかがっています。私たちは、この改正は、これからのまちづくりのあり方にかかわるとても重要な改正だと考え、この夏以来、「愛知の「ひとまち」を良くしたいワークショップ」を呼びかけ、開催してきました。ワークショップへは、延べ約300名が参加し、検討を進めてきました。
 条例改正の検討に反映していただくよう、ワークショップでの検討結果をもとに、下記のとおり第一次提案をします。なお、この第一次提案では、改正にあたって特に重要だと思われる点について列挙していますが、今後も引き続き検討を進め、特に、条例でいうところの「措置の基準」等について、順次提案する予定です。
 また、改正の検討を、より広汎な参加を得て進められることを期待します。

1.「人にやさしい街づくり推進委員会(仮称)」の常設を、条例に明記すること。
 ・条例の改正、県の施策の策定と実施、指導・助言にあたって、委員会の意見をきくこと。
 ・委員会は、専門委員だけでなく、県民から公募する委員とあわせて構成すること。
 ・県は、委員会への県民の参加を保障するために、情報公開と、学習支援を行うこと。

2.市町村の責務を、条例に明記すること。
 ・市町村にあっても、施策の策定と実施を責務とすること。
  これまでに実施してきた市町村計画策定やモデル事業の成果を、全県に広めること。
 ・市町村にあっても、県と同様に委員会を設置すること。

3.事業者は、一定規模・用途の施設について、条例に適合させるための計画を策定し、実施する義務があることを、条例に明記すること。
 ・計画の策定にあたっては、利用者の意見を聞くこと。

4.「教育活動、広報活動等の推進」に加えて、県は、人材養成を推進することを、条例に明記すること。
 ・これまで進めてきた講座やセミナーを通じての人材養成を、一層推進すること。

5.「特定施設」を「不特定かつ多数の者が利用するもの」としているが、「不特定かつ多数」と限定せず、すべてとすること。

6.特定施設の対象及び措置の対象について
・100平方メートル以下の特殊建築物や50戸以下の共同住宅を、特定施設の対象から除外せず、すべての店舗や共同住宅を対象とすること。
 ・住宅の対象範囲を拡大すること。
  公共住宅は、住戸内も含めて条例による措置の対象とすること。
  民間が供給する住宅の住戸内についても、整備努力を求めること。
  個人住宅に対しても、整備努力を求めること。
・「事務所」について、規則で、国、県、市町村等の事務所や金融機関の事務所等に限定しているが、対象を限定せず、すべての事務所を対象とすること。
 ・工場を対象とすること。

7.学校の整備水準をあげること。
 ・特に、エレベーターの設置要求の対象とすること。

8.公共交通機関について
 ・「公共交通機関の施設」だけではなく、車輌等を、措置の対象とすること。
・エレベーターや車いす使用者等が利用できる便所の設置を、1日当たりの乗降客が
 5,000人以上の駅等に限定せず、すべての駅等を対象とすること。
 同様に、エレベーターの設置を、道路と乗降場との間で最大高低差5メートル以上の駅に限定しないこと。
 ・乗降場の安全確保を求めること。

9.「案内表示」だけでなく、案内、誘導にかかる多様な情報提供について、条例に明記すること。
 ・街の中での多様な情報提供の仕組みを用意すること。
 例えば、視覚障害者のための音声情報、聴覚障害者のための視覚情報、知的障害者、子どもや外国人のためのわかりやすい案内情報について、明示すること。
  また、非常時の避難誘導についても、多様な人の存在に配慮すること。
 ・サイン等の情報提供の仕組みの統一化を進めること。

10.エレベーターについて
 ・仕様について、大型電動車いすに対応できるかごの大きさに改めること。
 ・ボタン位置その他の規格・仕様の統一化を進めること。

11.便所について、車いす使用者だけでなく、多様な使用要求に配慮するように、条例に明記すること。
 ・例えば、子ども連れへの配慮、視覚障害者への配慮、オストメイトへの配慮等。

12.「措置の基準」について、図化する等、わかりやすいマニュアル、解説書を作成すること。

13.整備工事中にあっても、円滑な利用ができるようにするための措置を講じるように、条例に明記すること。

14.既存の施設についても、新設と同様に、立入調査ができる旨、条例に明記すること。
 ・利用者から要請があったときは、報告を求め、立入調査できることとすること。

15.国、県、市町村等について
 ・整備計画を策定すること。
  整備計画の策定にあたっては、利用者の意見を聴くこと。
 ・既存の特定施設についても、措置を義務づけること。

16.条例や基準を、技術革新等に対応すべく、定期的に見直す旨、条例に明記すること。

                            第一次提案は、以上です。


■開催&運営主体:ワークショップの呼びかけ人一同
    井谷  徹(名古屋市立大学大学院医学研究科 教授)
    加藤 幸雄(幸設計室主宰)
    小寺 岸子(武豊町議会議員)
    斎籐まこと(名古屋市議会議員)
    曽田 忠宏(特定非営利活動法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海 理事長)
    城  憲秀(名古屋市立大学大学院医学研究科 教授)
    辻  直哉(愛知県重度障害者団体連絡協議会 事務局長)
    戸枝 陽基(特定非営利活動法人ふわり 理事長)
    中 祐一郎(名古屋女子大学家政学部 教授)
    橋本 知佳(2003年度愛知県「人にやさしい街づくり連続講座」 実行委員長)
    星野 広美(人にやさしい街づくり情報ターミナル 代表幹事)
    森  美親(愛知県重度障害者の生活をよくする会 代表)
    山田 昭義(社会福祉法人AJU自立の家 常務理事)
    山本 拓哉(特定非営利活動法人東三河ハートネット 副理事長)

■事務局:特定非営利活動法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海
       名古屋市守山区森宮町100番地
      電話・FAX:052−792−1156
      E−mail:
     愛知県重度障害者の生活をよくする会
      名古屋市昭和区恵方町2−5 相馬ハウス内
      FAX:052−852−4810(森あて)


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