トップページ>提案・研究会>愛知のひとまちを良くしたいWS>第11回ディティール編その1
■とき:2004年1月21日(水) 午後6時30分〜8時45分 |
■趣旨説明■
10年前に、愛知県の「人街条例」が制定され、ハートビル法や交通バリアフリー法もでき、街の中は整備されてきた。以来、車いすの人や視覚障害の人が街に出てきた。人口構成では、高齢者が増えてきている。そういった様々な人たちを社会が受け入れてきたというのは、社会そのものが変わったからということもある。
条例が制定されて10年経ち、いろいろな人が街に出てきている。社会の変化に対して、各地の福祉のまちづくり条例がついていけなくなっている。よりよいものに変えていこうと、あちこちで条例の改正の動きがある。愛知県では、現在、条例を改正するために検討委員会を開いている。しかし、委員会の様子がなかなか見えてこないので、昨年の夏からこの「ひとまち」をよくしたいWSを開いてきた。WSでの意見をまとめ、昨年の12月3日に、第一次提案を「愛知県知事
神田真秋」あてに提出した。
■これからの予定■
今回のWSをもとに、第二次提案を出していきたいと思っている。
第一次提案では、「条例のしくみ」を中心に提案しているが、今日と24日は、「ディテール」「整備の基準」について検討したい。
愛知県は、12月に検討委員会を開いたが、そこでは障害者団体のヒアリングの報告で終わっている。年明けに企業のヒアリングをし、2月20日頃に次回の委員会を開く予定だという。それまでに、第二次提案を提出したい。
AJU自立の家リサーチ会議人まち研究班からも、提案が出ている。障害当事者の運動からの提案である。
第一次提案と第二次提案を合わせて、「市民の手による『パブリックコメント』」をしようと考えている。呼びかけ人やWS参加者の所属するグループ、ひとまちネットワーク・東海、AJU自立の家、東三河ハートネット、人にやさしい街づくり情報ターミナルなど、関係する団体のホームページなどを利用し、広く意見を求めていきたい。
また、検討委員会の委員と意見交換がしたい。
■第一次提案の説明■
条例は、全部で、21条でできている。
条例に対して、どのような提案をしたのか共有するために確認をする。
( 説 明 )
第一次提案後の反応については、第一次提案をひとまちネットワーク・東海のHPに掲載していて、多くの意見が届いている。
■テーマ毎に討議■
<エレベーター>
○駅構内のEVを11人乗りから15人乗りにしてほしい。
スポーツ施設・映画館・娯楽施設のEVは、15人乗りがよい。
電動車いすでは、他の客に気兼ねしながら利用しなければいけない。
15人乗りだと2台が乗れる。
多くの人が一度に利用する場所では、一人ずつの乗降は時間がかかる。
○一方通行のEVは、乗降がスムーズではないか。
バックで降りるよりよいかもしれない、場所による。
エスカレーターがEVに置き換わるという考え方で、一方通行でEVを利用するのはどうか。
○地下鉄の地上に出るエレベーターは、地下鉄が動いている間はいつでも利用できるようにしたい。
地下鉄の所有地ではなく、民間のビルのエレベーターを利用していると、エレベーターの利用時間に制限がある。
歩道に出入り口をつくる。
交差点につくると、車にとって見通しが悪くなる。
<一階が駐車場で二階がレストランとなっているファミリーレストランの類>
○エレベーター設置について
やはり、EVを要求すべき。
土地が狭いので、そのようなつくりになっているのでは?
契約で店を借りている場合が多く、設備投資できない現状がある。
○EVの設置を義務付ける施設の種類、規模を決める。
小さな施設でEVを要求するのは、難しい。
エレベーターの設置に、施設自体の建設費と同じくらいかかるようだと、要求は難しくなる。
○日本は、EVの設置基準、安全基準が厳しい。
荷物用のEVが使えれば、いろんなところにEVの設置ができるようになるのではないか。
安全重視になっている。
<集会場・人が集まるときの工夫>
○人的な配慮が欠けている。
市町村合併の集会では、手話通訳だけしか用意されていない場合がほとんどである。
磁気ループ・要約筆記はない。
○視覚障害への配慮はまったくない。
映画では、字幕スーパーがある。
視覚障害の方は、ざわざわしていると聞き取れない。
シーンボイスがあれば、状況がわかりコミュニケーションが図りやすい。
○イベントを開催することに対して、情報保障を求める。
施設整備はもちろんだが、人的な、ソフトの対応を考えるべきである。
これまで、「モノ」を中心に整備要求をしてきたが、そこで行う「コト」に伴う整備、配慮をすすめるべきだろう。
今までは、主催者側の「善意」で行ってきた。
<ホテル>
○ホテルの客室をどうするのか。和風旅館の室内をどうするのか。
和風旅館でも、バス・トイレなど設備は洋風になっている。
ホテルのユニットバスに段差がなく、車いすの通れる幅があれば、利用できる人が増える。
宿は多様になり、選択肢が増えてきている。
そこから客が選べばいい。必要なのは、選ぶことができるようにすることだろう。
宿の戦略として、「来てもらうこと」を優先するはずだ。
宣伝する、集客することで、単価を下げることができる。
愛知県も、万博・観光というのなら、宿泊施設を考えることが必要だ。
○車いすユーザーが車を運転する場合のために、駐車場では比率で基準が定めてある。同様に、宿にも利用できる部屋の率を設定する。
<車いすで利用できるトイレについて>
例えばコンビニのトイレは、車いすの通れるドア幅があり、段差がなければ、車いすで利用できるトイレが増える。
<歩道・交差点>
○歩道の構造・交差点・スロープの勾配には、基準があるが守られていない。
交差点の名古屋方式はいい。
歩道側のアップダウンがきつい。
スロープの勾配は、1/8ということになっている。
住宅地の中の歩道の段差は、車の方が凸凹すればいい。
○敷石・素材が多様化しているが、アスファルトでいい。
景観上、ILB(インターロッキングブロック)になっている。景観を意識しすぎだ。
ILBは振動があってよくない。
車いすユーザーだけでなく、ベビーカーも振動はよくない。
安全で、快適に「歩く」という本来の使用目的を忘れている。
歩道に規定を設けてはどうか?
現に条例では、「滑らかで平ら」にするという基準がある。
○歩道が狭い。
名古屋市は歩道が広いからいいが、歩道が狭かったり、白線だけだったりの、地方では特に怖い。
自転車が歩道を走れるのは、指定されているはず。
自転車が加害者になる可能性がある。
車が、街の中や住宅地など、どの道も同じように走るのはどうか?
いかに人と自動車が共存するかである。
植樹の根っこが歩道を狭くしている。
狭い歩道では電柱がじゃまになっている。
しかし、電柱のおかげで、車から身を守れることもある。
○決まりがあるのに、なぜできないのか?
決める場・決め方が統一されていないのではないか。
「市民が参加して」道の使い方、造り方を決める場所がない。
要求する側もまちまちだ。
○ノンステップバスでは、乗降しやすさを考えると、歩道の「高さ」が必要である。
<駐車場>
○障害者用駐車場には、屋根が欲しい。駐車場から施設内まで連続させること。
○車を運転する車いすユーザーではない他者が車を止めても罰則はない。
自分で運転する車いすユーザーが困る。
「ルールを守る」という常識の問題だろう。
知らない、ということもある。
何のためにそのスペースがあるのか、一般の方への意識付けが必要だ。
視覚的にも、心理的にも、よくわかるようにする目立つ色(オレンジ・黄色)で駐車場を識別できるようにする。
<人的対応>
どこでも「誘導ブロック」さえ敷設しておけば免罪符になるということではなく、病院などで案内人がいるように、人で対応した方がよい場合もある。
<みんなで褒める>
○「誉める」活動をしましょう。
順位づけをする。適合証マークで顕彰する。☆☆☆で評価する。そのことで、信用が得られるという状況をつくる。
業者間が競争することでレベルアップする。
トイレだけといった対象を限定しての表彰もいいのではないか。
愛知県の「人にやさしい街づくり賞」は、ハード・ソフトを、あわせて評価しているという特徴がある。
県がやっている、ということでなく、民間との協働事業ですすめたい。
各地域を巡回しながら発掘し、投票参加し、ということで、県民啓発の一つとしてみんなで表彰しよう。
<要求>
要求する側の「要求の統一」が必要だ。
<その他の検討すべき項目を列挙>
車輌(バス・電車)
ガソリンスタンド、セルフスタンド
トイレ:オムツ交換ベット、ドアノック(聴覚障害者対応)、トイレの使いづらさ
公営住宅の配慮(身体障害のみではなく)
案内表示の統一
劇場の優先席の位置
民間の力を使うこと、メーカーのイメージアップ、PR・評価、戦略計画
認証・資格
つくり手の教育・体験
経験でわかる
〒463-0096
名古屋市守山区森宮町100番地
TEL/FAX 052-792-1156
Eメール hitomachiあっとまーくnpo-jp.net
(迷惑メール対策のため@をあっとまーくに変えてあります)