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提案・研究会

トップページ提案・研究会愛知のひとまちを良くしたいWS第1回

第1回 愛知県の「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」を読む

■とき:2003年8月19日(火)夜7時〜9時
■ところ:AJU自立の家サマリアハウス(名古屋市昭和区恵方町2−15)
■参加人数:31名
■お話:星野広美  
■配付資料:人にやさしい街づくりの推進に関する条例と、施行規則

条例のつくられ方について、解説

さあ「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」を読みましょう

参加者31人 条例の文を読んでいます

文章とにらめっこ、約1時間で(しかも超特急の早口で)1〜21条まで読みました

質問&意見 建築物や施設のつくられ方の話をしています

参加者どうしで質問もあり・・・

終わってから駆けつけて、少し連絡です

 


<全国の福祉のまちづくり条例や人にやさしい街づくり条例の動き>
 最初に福祉のまちづくり条例をつくったのは大阪府と兵庫県。次が愛知県。愛知の場合 「福祉の」ではなく「人にやさしい」とした。それから全国で、福祉のまちづくり条例や人にやさしい街づくり条例がつくられた。その間、国レベルでは、ハートビル法の改正や交通バリアフリー法の制定があった。
 全国の条例の多くは、整備基準を、ハートビル法の基準に合わせているが、愛知県の条例は独自のものになっている。

<愛知の条例見直しの動きと、このWSの狙い>
 今、日本中で条例見直しの動きがある。愛知県でも見直したいということで、条例の検討委員会が開かれてきているが、様子がみえてこない。
条例をつくるときは、何もないところから始めているということもあって、いろいろな団体や人にヒアリングしたり、現場で実際に実験してみたりしている。
 今回は、委員会の中だけで議論されているようで、みえてこない。これに対して提案をしたい、という呼びかけをさせていただいた。委員会の進行予定と合わせると、このWSでは12月までに提案をまとめたい。

<WSのすすめ方のイメージ>
 WSは、隔週開催、1回完結型にするつもり。「改正」ということなので、今まで積み上げてきたものを捉えた上で提案をしていきたい。
 第1回のテーマは「条例を読む」。第2回は条例が制定されるまでの愛知での運動。
 事務局は今、愛知県重度障害者の生活をよくする会とNPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海がしているが、共同事務局を希望する団体があれば一緒に!。

(参加者の簡単な自己紹介を挟んで・・・) 

<条例とは何か?>
 憲法の範囲内でしか法律は決まらないし、法律の範囲内でしか条例は決まらない。法律は国会が決める。霞ヶ関の役人たちがつくったり、議員提案というのもある。法律の下に施行令。その下に施行規則がある。例えば、ハートビル法は法律で、施行規則は国土交通大臣が決める。
条例は県や市町村の議会が決める。施行規則がその下にあり、知事が決める。条例は
議員が提案することも可能だが・・・。
その他、「〜通知」や「〜連絡」や担当者メモといったものが出される。それで、実際の「運用」は決まる。

<人にやさしい街づくりの推進に関する条例は・・・>
 
「目次」から「附則」まで。本文が21条と、「別表」でできている。条例には大筋のことが書いてあり、細かいことは施行規則にゆだねられている。
そこで、例えば、条例の別表一のイで、・・・歩くための「通路」の幅は1.4メートル以上と書いてあるが、それでは通れない!ということなら、条例を変える動きをしないといけない。

(1条から21条、別表を読み。その後、質疑応答・意見交換。)

その後、質疑応答。


★99u、999uの議論
(→11条の特定施設をどうするか)
・面積をちょっとだけ小さくしての規制逃れは無いのか?
・規制逃れを売りにして、設計している輩はいないのか?
・99uで逃れて得をするほどの規定ではないのではないか?
・その程度の規模の店なら、フラット、あるいは、スロープ、出入り口の幅、通路の幅程度が満足されればいいだろう。
・コンビニは、荷物搬入のために、結果的に、条例基準に適合する。

●999uでも同様に、エレベーターと車いす使用者トイレの設置義務から逃れられる。
・といっても、スーパーだったら500uあればちょっと前の大規模小売店舗に属するのだから…。
※(参考)2000年6月に旧大店法に代わって大規模小売店舗立地法が施行され、大規模小売店舗の定義が500u以上→1000u以上に変更

★100u程度の規模の施設でトイレは?
・郵便局にトイレの設置というのは条例に書けないか?
・100uのお店(商品陳列のスペース等必要)につくって!と言っても、つくるかどうか。
・国の施設でも条例の基準規定は係ってくる。だから、郵便局では1000u以上あれば車いすトイレ設置の対象になるが、金融機関は、防犯の理由から「トイレ」を設置したがらない。
・デパートでも、1階にはトイレをつくりたがらない。

★モラルとチェック、どういう立場に立つか?
・99uと届けて施主に喜ばれるより、100uと届けて県民に喜ばれる方へ。
 個人の所有物→社会の施設、公共性をもった施設
・基準よりチェック「機能」が大事。どうやってルールを守ってもらうか?
・今の条例は、「届出」、つまり、きちんとするだろう・・・という善意に期待している。善意に期待しないなら、「罰則」をちらつかせることになるだろう。
・届け出のうち基準に合わない不適合のものが、当初は3%だったが今は5%になっている。全国的にみれば愛知の適合率は高いが。

★国や市町村の施設が良くない・・・という議論
(→条例第20条の特例をどうするか)
・条例に基づく「届出」等の手続きは不要になっているが、結果として、良くないモノができる。
・届出に対するチェックがない。役所が、専門家がチェックすべきではないか?
・小さな市町村だと、建築の専門職がいなくて、設計者の言うままになっている。結果、条例に適合しないモノがある。設計者とか、建築家という「専門家」のモラルがカギを握ることに。
・役人によるチェックということもあるだろうが、施設を作っていく過程に市民が参加することで、多くの眼でみることが必要ではないか?
・参加とか、当事者によるチェックを条例にうたってはどうか?
・条例にうたっていなくても、知多や犬山では、市の施設の整備に対して、当事者を含めたチェックの仕組みを持っている。
 誰が、いつ、どうやって、チェックするか、だろう。
・参加や、当事者チェックの仕組みを用意されても、市民側の力量がないと、形骸化する。

★使えないモノがなぜできるのか?
・設計者と施工者の間のフィードバックがない。
 いくら設計者がいい設計をしても、施工者が変更してしまったら・・。
・小さな段差に対する視覚障害者と車いす使用者の問題のように、専門家(=プロ)がどう応えるか。
・車いすトイレでの手すりと便座の高さの関係がわからない、といったような、専門家の知識不足がある。
・「情報」を取りに行かない。どこに「情報」があるのかわからない。
・障害者や高齢者の使い勝手より、つくる側は見た目の美しさを重視するところがある。

★条例第10条の財政上の措置は、有効に機能してきたか?
・県はどのくらいの予算を充てているのか?
・具体的にどのような助成があるのか?

(記録:橋本知佳)

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